can robots be creative

TED-Ed動画から考えるAIのアートへの影響 GIL WEINBERG:Can robots be creative?

最近AIやロボットの進歩が目覚ましいですよね。世の中が便利になっていく一方で、人間の仕事がどんどん奪われていく、といったネガティブな面も何かと話題になっていますが芸術面でもロボットは人間のように活躍出来るのでしょうか?今回はTED-Edで「ロボットはクリエイティブになれるのか?」というテーマの動画を観たので、ご紹介&感想と周辺情報を共有します。

まず、TED-Edについて知らない方のためにカンタンにTED-Edをご紹介しますが、不要な方は以下の目次から飛ばして頂いて問題ありません。

 

TED-Edとは

TED-Edとは教育目的で作られたプロジェクトで、ページにアクセスすると物凄い数の教育系動画を閲覧することができます。各動画は本家TED Talkと比べると短いものが多くて、5分前後のものが大半ですので、ディクテーションなどのリスニングトレーニングにも適しています。

また、動画はアニメーションにナレーションを付けたものになりますので、この点もTED Talkとは異なります。

個人的にはリスニングの難易度はTED Talkよりも低く、サクッと観ることが出来るので気に入ってます。

下に公式ページのリンクを貼ってありますので、ご興味あれば覗いてみてください。

また、ディクテーションのやり方について別記事で解説していますので、そちらもご興味あればぜひ読んでみてください。

TED-Edのページ

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「Can robots be creative?」

 

冒頭でもお伝えしました通り「ロボットはクリエイティブになれるのか?」というのがこの動画のテーマです。

前半では、どういう状態のロボットが「クリエイティブなロボットなのか」という定義について、過去の学者の説を紹介しています。

動画によれば、1843年に世界初のプログラマーと考えられているAda Lovelaceというイギリスの数学者が、

ロボットがオリジナルのアイデアを出したとき知的・クリエイティブであると言える。一方で、人間が意図をもって機械にプログラムしている限り、機械が人と同じようにクリエイティブになることは無い

と述べたものが一番初めの定義のようです。

そして、その考えをもとに2001年にLovelace Testというテストが構築され、その中では

コンピュータが人の予想出来ない成果を出したならクリエイティブと言える

と考えるようになったとのこと。

しかし、この定義はによれば、人間が結果を予想できなければ良いので、例えばコンピュータがランダムに音を並べて作曲した場合、「誰も結果を予想できないからこのコンピュータはクリエイティブ」ということになってしまいます。聴くに堪えない不協和音やノイズのようなものを作った結果、クリエイティブという事にはならないですよね?

そこで、機械に人間が思う「クリエイティブさ」を付与すべく、最近では生物の進化の仕組みを応用して機械に芸術を生み出させる試みがされているようです。

例として、動画内ではこのような作曲方法が紹介されています。

まず音楽素材を用意し、それをもとに機械が素材を組み合わせたり、部分的にアレンジして曲を作る。そして、そこから人が良いと思う部分だけ残し、それ以外の部分をあらたな素材で埋めていく。これを繰り返す。その結果、最終的には全く新しい、それでいて人間が好む音楽が出来上がる。

つまり、最適なものだけが生き残り、適さないものは淘汰されていく、生物の進化のような作曲方法というわけです。

 

動画内ではさらに問いかけがあります。

ー この方法で作曲された音楽は確かに独創的だが、それで機械がクリエイティブになったといえるのか?

ー 機械がクリエイティブになるには、機械が意図のもとに物を作り、何が独創的か理解している必要があるのか?

ー 果たして機械の創作物は芸術と呼べるのか?

 

そして動画の最後は、芸術は感動できれば作り方や誰が作ったかは問題ないのでは?と締めくくっています。

感想とか関連して調べたこと

私はロボットはクリエイティブになれると思っている派です。

というのも、私はある枠組み(音楽とか絵画とか)の中で、世にない新しいものを作り出す力があることがクリエイティブってことなんだと思っていて、

「良いもの、美しいものを作った」「クリエイティブだと思って作った」

といった観点は重要ではないと考えているからです。

良し悪しや美醜なんて、人それぞれの価値観で変わるものだし、本人がクリエイティブなものを作ろうと意識していなくても誰かが成果物をクリエイティブだと思えば立派なクリエイターではないかと。

AIが描いた絵

実際、「エドモンド・ベラミーの肖像」というAIが描いた絵が2018年にオークションで約4900万円で落札されています。これは人々がAIの絵を芸術作品として受け入れた、ということですよね。最も、この額は「AIが描いた」という価値に付いたものも多分に含まれていると思われるので、仮に人間の作品として世に出したらいくらの額が付いたのかは興味がありますが。

なお、AIが絵を描く仕組みは動画内の作曲の例と似ています。まず既存の肖像画データを膨大にインプット(約1万5000点のデータ)して、その情報をもとにAIに独自の絵を描かせ、その絵を画像認識システムにかけたとき「人が描いた」と認識されない部分についてはやり直しを繰り返し、完全に人が描いたと認識されたら完成です。

音楽のケースも、この絵のケースも「膨大な人間の作品」をベースに「人間が良いと思う、人間らしい」ものを作る、というやり方で作られているので、AIの完全オリジナルではない!という反論があるかもしれませんが、私はこれはナンセンスな反論に思えます。

というのも、人間の作品であっても過去の作品に影響を受けていますよね。例えば画家やミュージシャンも、美術館に足を運んだり、音楽を聴いたり、ゴッホの絵を模写したり、好きなバンドの曲をコピーしたりして過去の作品をインプットしますよね。そして、その経験をもとに後自分の作品を作り、その作品を人が良いなと思えば売れる。

私にはその工程はAIも人間も同じに思えます。

余談ですが、私は日本のロックバンドGLAYが好きなのですが、AIにGLAYの全曲を読み込ませたら「GLAYっぽい曲」を作ってくれるのでしょうか。

他の分野でのAI・ロボット化

このようなAIやロボットの進歩は絵画や音楽の世界だけではありません。

堀江貴文氏(ホリエモン)と落合陽一氏は対談で「ロボットアームが進化すれば、陶芸のような作業もロボットが出来るようになる、しかもそれは近い将来に起きる出来事だ」と言っていました。

また、AIによる小説も公開され始めていますし、絵画と同じロジックで彫刻なんかもAI&ロボットがすぐに出来るようになるでしょう。

もはや、アート界の多くがAIやロボットの射程範囲内になってしまったようです。

冒頭に触れましたが、今AIやロボットが次々と人間の仕事を奪っているなかで、安全に思えていた画家、ミュージシャンといった「クリエイター職」もいよいよ他人事ではなくなってきたのではないでしょうか

今後、人間のアーティストは何を武器に独自性、強みを出していけばいいのでしょうか?

調べた単語

Grapple with : try to overcome something

Alongside: together and in cooperation with

Scrutinize: examine or inspect closely and thoroughly.

Aesthetic: a set of principles underlying the work of a particular artist or artistic movement

Intuition: a thing that one knows or considers likely from instinctive feeling rather than conscious reasoning.

Intention: an aim or plan

Shiver: shake slightly and uncontrollably as a result of being cold, frightened, or excited

まとめ

今回はTED-Edの動画「Can robots be creative?」についての記事でした。

私はアート面でのクリエイティブさとは無縁な人間なので、すでにAIに追い抜かれています。。

AIなら物凄くレベルの高い贋作なんかも簡単に作れるでしょうし、AI化のアート界へのインパクトは今後どんどん大きくなっていきそうですね。